[ATSUNORI MURASE & KOU SATOH JEWELRY EVENT】
9/12 (sat) - 9/15 (tue) at mathematics
9/18 (fri) - 9/22 (tue) at rollot

二人のジュエリーデザイナーによるイベントを開催します。
今回ご紹介するのは、ATSUNORI MURASEとKOU SATOH。
二人ともシルバーを中心にジュエリーを制作していますが、その背景や素材への向き合い方、表現はかなり異なります。

ATSUNORI MURASE
東京藝術大学で彫刻を学び、現在はシグネットを中心にジュエリーを制作。
シグネットとは、古くから紋章やイニシャルなどを刻み、その人を示す「印」として使われてきたジュエリーです。
村瀬氏の作品を見ていると、リングという小さなサイズの中にも、彫刻をバックグラウンドに持つ人ならではの造形への意識を感じます。
今回ご紹介する「木目金」もそのひとつ。
銀と銅など異なる金属を幾層にも重ねて接合し、加工することで現れる、木目のような独特の文様。
描かれた柄ではなく、異なる金属そのものが作り出す模様で、ひとつひとつ違った表情を持ちます。

木目金/MOKUME-GANE
まるで木目のように見える、この独特な模様。「木目金(もくめがね)」と呼ばれる、日本で生まれた伝統的な金工技法です。
その歴史は江戸時代まで遡り、もともとは刀の鐔(つば)や柄など、刀装具を装飾するための技法として発展したといわれています。
異なる色を持つ金属を何層にも重ねて接合し、それを彫ったり、叩いたり、延ばしたりしながら、積層された金属の断面を表面に現していく。
そうして生まれるのが、この木目のような文様です。
表面に柄を描いているわけでも、後から色を付けているわけでもありません。金属そのものの層が、模様になっています。
使う金属の組み合わせや重ね方、そして加工の仕方によって模様は変わり、まったく同じ表情にはなりません。
今回ご紹介する ATSUNORI MURASEの作品では、銀と銅を重ねた木目金が使われています。
数百年前の日本で生まれた金工技法が、現在のジュエリーとしてこういう形になる。技法を知ってから改めて見ると、このリングの見え方も少し変わってくるのではないでしょうか。

自分だけの「印」をつくる、シグネットリング。
シグネットリングは古くから、リングの表面に紋章やイニシャルなどを刻み、自分自身や家系を示す「印」として使われてきた歴史を持つジュエリーです。
村瀬氏のシグネットリングは、もちろん何も入れず、無地のまま身につけていただいても十分に魅力のある作品です。
そしてもうひとつ、このリングの大きな魅力が、希望する絵や文字などを入れてもらえること。
何を入れるかは決まっていません。
イニシャルや言葉、記号、好きなモチーフ、思い入れのある絵など、「こんなものを入れたい」という希望を伝え、それをもとに一点一点、手仕事でリングの上に表現してもらうことができます。
単に決められた図柄の中から選ぶのではなく、身につける人が何を入れたいのかを聞き、そのイメージを村瀬氏自身が受け取り、ひとつの作品へと仕上げていく。
手仕事だからこそ生まれる線や表情も含め、同じものがふたつとない、とてもパーソナルなリングになります。
何も刻まず、シグネットリングそのものの造形を楽しむのもいい。
自分にとって意味のある絵や言葉を刻んでもらうのもいい。
かつて自分自身を示す「印」として使われていたシグネットリング。
その歴史を持つジュエリーだからこそ、自分だけの何かを刻み、身につけるという楽しみ方がとてもよく似合います。

一方、KOU SATOH が掲げるのは「NEO PRIMITIVE」。
かって装身具が単なる装飾ではなく、人の身体や精神、思想と深く結びついていたように、現代におけるジュエリーと人との関係を考えています。
現在、作品の中心となる素材はSILVER 990。
オプシディアンをはじめとした天然石を大胆に組み合わせたものから、シルバーそのものの量感や美しさを生かしたものまで、独特な存在感を持つジュエリーを制作しています。




ボリュームのある造形でありながら、実際に身につけてみると不思議と身体に馴染む。
ジュエリーを、その人の「Identity =自分らしさ」を表すものとして捉えています。
同じシルバーを扱いながら、一方は彫刻や金工技法から、もう一方は人と装身具との関係から。




黒曜石/RAINBOW OBSIDIAN
一見すると、深く艶のある黒。オニキスのようにも見えるのですが、光を受ける角度が変わると、その黒の奥からグリーンやブルー、パープルなどの色彩が静かに浮かび上がります。
「レインボーオプシディアン」と呼ばれる黒曜石。
黒曜石は、火山から噴き出した溶岩が急速に冷えて固まることで生まれる、天然の火山ガラスです。
普段はほとんど黒にしか見えない。けれど、光の入り方や見る角度によって、内側に潜んでいた色が現れる。
その変化は一石ごとに異なり、同じ表情のものはありません。
今回の佐藤氏の作品では、そんな黒曜石そのものの個性を生かしながら、一点一点ジュエリーへと仕立てています。
写真だけではなかなか伝えきれない、黒の奥に現れる色。ぜひ実物を手に取り、角度を変えながらご覧いただきたい作品です。
異なるアプローチを持つ二人の作品を、同じ場所でご覧いただける機会です。
画像だけではなかなか伝わらない、銀の質感や重量感、そして実際に身につけた時の存在感。
ぜひ店頭で手に取ってご覧ください。